お知らせ
12/15 ふざけたメタデータ。
あるでーたべーす。
「謡の友」という雑誌の1巻4号。
「月に露草」――表紙圖案 / 猿樂町人/表紙
口繪
記事/p1~39
これだけ。
11/24 キネマ旬報
本日、デジタルコレクションの「キネマ旬報」のメタデータを搭載しました。
粒度に粗密があったり、映画雑誌に期待される画像のデータがほとんどないなど改善の余地のあるデータですが、少なくとも署名記事は検索できるはずですし、16号から戦前の廃刊(戦後復刊)に至るまでのほとんど欠号なくそろっているなど利用価値は高いと判断して仮搭載しました。
今後は、復刻版なども参照してできるだけ完全なデータを作成して再登載します。
データをチェック居ていたら1930年代に「大学の若旦那」という映画があって笑ってしまいました。加山雄三の「大学の若大将」シリーズはこれがもとかァ。
11/4 恐るべし婦人雑誌
大杉栄が甘粕正彦に虐殺された大正12年の雑誌は、『改造』が大杉の友人知己の「大杉栄追想」を特集している。この総合雑誌の甘さに対し、『婦人公論』は「〔甘粕という人間〕批判」という特集を行い、高畠基之・柴田勝衛、広津和郎、三宅雪嶺、高島米峰、新居格が寄稿している、『婦人之友』は、「甘粕事件に関する感想」を特集し、上司小剣、別所梅之助、吉屋信子、内田魯庵、吉野作造、千葉亀雄、神戸正雄、桑木厳翼、小川未明、高村智恵(子)、片山哲、徳田秋声、山室軍平、久布白落実、伊東忠太、沖野岩三郎、平塚明(らいてう)ら45人に「感想」を書かせている。同時代の代表的知識人が、この事件をどう見ていたかを知る貴重な証言である。
しかし、同時代に編纂された「雑誌記事目録」の類には、これらの記事は、一切採録されていない。当時の目録の採録者にとっては、婦人雑誌や『新青年』などの娯楽誌は採録対象外だったのである。
幅広い雑誌の目次情報のデータベース化によってこうしたことが明らかになって、雑誌の資料価値が見直されるようになるとしたら、データベース化の意味は単に調査のスピードをアップするにとどまらないだろう。
10/19 「映画と演芸」という雑誌。
雑誌『映画と演芸』の目次情報を独自に作成して、NDLのデジタルコレクションの永続的識別子を付与してアップしたので引き比べてみてください。
粒度に問題のあるメタデータは、感覚的には3割くらいあるので、これをみんな作り直すことは容易ではないけれど、それをしないとせっかくNDLが麻生内閣のばらまき予算でデジタル化した雑誌の紙面データが活用できない。
紙面のインターネット公開は著作権処理の問題で相当時間がかかると予想されるのでそれまでには何とかしたいものだ。
たとえば
NDLの2巻8号のメタデータは下記のごとし。
寫眞
梅村蓉子/表紙
三色版
二色版
映畵/p9~28,44
演藝/p33~43
記事/p29
それに対し弊社作成のデータは。
〈特別増大エスバルト紙グラヴュア版〉梅村蓉子///
〈三色版〉帝劇「太平記曦鎧」//3/
〈三色版〉アルバトロス「覆面の女」//5/
〈二色版〉メトロゴールドウィン「ヴィナスの戯れ」//4/
〈二色版〉松竹座「世響太鼓功」//6/
〈二色版〉歌舞伎座「江戸育お祭佐七」//7/
〈二色版〉松竹座「象牙の塔」//8/
〈映畫〉最近のアグネス・エアース//9/
〈映畫〉フォックス映畫アイアン・ホース、トム・ミックス//10/
〈映畫〉ファスト・ナショナル映畫ロスト・ウアルド―「結婚の渦巻」//11/
〈映畫〉歐州映畫佛パテ社映畫「ヴィドック」獨ネプチュン映畫「裏町の怪老窟」ラシェル・デヴィリのヨランド、エミル・ヴォチェのヴィドック妻//12/
〈映畫〉過ぎ行く影(佛アルバトロス)//13/
〈映畫〉メトロ・ゴールドヰン映畫「拒否」―「暗黑」―「歡樂の不夜城」//14/
〈映畫〉ジャックリン・ローガン//15/
〈映畫〉松竹蒲田映畫「象牙の塔」―鈴木傳明の紳士と英百合子の令孃―「郊外の家」//16/
〈映畫〉「悲しき戀の幻想」奈良眞養の多加磨、栗島澄子の比那女、東榮子の淸女//17/
〈映畫〉帝キネ映畫「大自然の叫び」澤蘭子の八重子、里見明の若者。―「長脇差」尾上紋十郎の業平新太郎、瀨川路三郎の小櫻源藏「稻妻小僧」市川百々助の義賊東京子のお絲―「流るゝ酒」松本泰輔の父―嵐德太郎の一子//18/
〈映畫〉東亞映畫「虹を追ふて」草野辰巳の松三、夏川靜江のお靜、佐々木積の農夫「亂刀」月形龍之助の宇都美信二郎、生野初子の琴師//19/
〈映畫〉獨逸ウフア映畫「クリームヒルトの復讎」マーガレット・シェン、名優ルドルフ・クラインロゲ。獨逸ウエスティ映畫「黃金の犢」ボルテン主演//20/
〈映畫〉「笛吹きマンロ」―「サイド・ショウオブ・ライフ」//21/
〈映畫〉メトロ映畫「人生の異端者」プリンシパル映畫「さびしき燈臺守」//23/
〈映畫〉日活映畫(其一)「母校の爲に」―「闇の中の顔」―「鞍馬天狗」//24/
〈映畫〉日活映畫(其二)「愛に輝く女性」―お雪とお糸」//25/
〈映畫〉映畫批評家列傳(森岩雄君)マキノ映畫「討幕の叫び」//26/
〈映畫〉ユニバアサル映畫「私が案内しませう」―「シージ」―ガムブ現はる。//27/
〈映畫〉表情研究―英百合子。寫眞お手の筋判斷(出雲美樹子)//28/
〈映畫〉海外映畫界ニュウス「おそろしい帽子」―チャップリン―上山草人―ノーマ・タルマッヂ―ライテル・ウィンザー―ダグラスとメエリー//44/
〈演藝〉「色彩間刈豆」菊五郎の累と勘彌の與右衛門//33/
〈演藝〉帝劇七月女優劇(其一)松助―幸四郎―嘉久子―綠牡丹//34/
〈演藝〉帝劇七月女優劇(其二)「出勤時間」―「恐るべきは女なり」「己れラヂオめ!」//35/
〈演藝〉歌舞伎座七月狂言「四谷怪談」―左團次―芝鶴―松蔦「お祭左七」―羽左衛門―梅幸―市藏//36/
〈演藝〉東京各座七月狂言築地小劇塲「牧場の花嫁」―「母の愛」―「休みの日」、公園劇塲―「有馬の猫」井上正夫、訥子//38/
〈演藝〉七月の松竹座「毛谷村六助」―「鎌倉三代記」―「河内山」―「世響音太鼓功」//39/
〈演藝〉市村座七月狂言「夜討曾我」―「繪本太功記」//40/
〈演藝〉菊五郎―勘彌―福助//41/
〈演藝〉大阪中座、浪花座七月狂言「曾我廼家五郎劇」―「新聲劇」//42/
〈演藝〉「新四谷怪談」―「榛名の仇討」//43/
映畫は大衆に何を與ふべきか/森岩雄/29/
マッチの棒と口紅/田中榮三/29/
歐洲映畫往來/淸水千代太/29/
映畫演技のテンポ(三)/關野嘉雄/29/
電影界無線電/立花高四郎/30/
喜劇役者は疲る/人見直善/30/
今秋の映畫戰/北澤秀一/31/
新しき玩具/大島十九郎/31/
海外映畫漫談/靜生/31/
私のエキストラ・ワーク(三)/近藤經一/32/
分芝居/岡田八千代/45/
菊五郎の女形/田村道美/45/
各座の盆興行/幻花/45/
梨園茶話/水谷幻花/46/
劇雅堂斷片/鳥居淸忠/46/
四谷怪談の印象/島村民七/47/
新しき舞踊の題材(二)/永田龍雄/47/
クロス・ワードの新題と當選者發表//47/
六月中封切映畫一覽表―七月各座狂言と役割一覽表―讀者と記者欄
10/8 大津の竹内重弘さん
映画雑誌・書籍のコレクターの竹内重弘さんが昨日亡くなられた。
竹内さんとは、生前から『日本映画雑誌目次集成』を作ろうと約束し、海外の研究者からも期待が高かったが、とうとう生前に実現することはできなかった。
ご冥福をお祈りするとともに、必ず約束を果たすと改めて誓う。
(2013年9月1日日経新聞参照)