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お知らせ

8/28 二・二六事件の反乱軍将校と日韓貿易

あるBBSに以下のような記事があった。

●お願い (二・二六事件の反乱軍将校で死刑を免れた)清原康平に就いては、文芸春秋に、韓国の大統領と同期で、韓国貿易に関与しているとの、寄稿があったが、何方か、覚えている人いませんか。

まず、二・二六事件を掲載誌「文芸春秋」で検索したが、それらしい記事はない。このとき、「二・二六」は「2.26」「2・26」という記述があることがわかったので、辞書に「二・二六」=「2.26」「2・26」いう項目を作った。
陸軍将校が韓国大統領と同期というのは、陸軍士官学校卒業の「朴正煕」しかいない。そこで、掲載誌「文芸春秋」、論題のキーワード「朴」で検索してみた。朴正煕としなかったのは、「朴正煕」=「朴大統領」などの辞書が作成してないから、大雑把過ぎるかなと思いながら試みた。
その結果意、16件が検索され、そのうちに次の記事を発見した。

朴議長との一時間
著者 湯川康平
刊行年月日 昭和37年1月1日
巻号 40-1(新年特別号)
掲載 文藝春秋

さて、これは名前が同じだが姓が違う。Wikipediaで検索すると「戦後は妻の姓を用いて湯川康平と名乗った」とある。これでつじつまが合った。辞書に「清原康平」=「湯川康平」を追加。

ところで、文芸春秋は、NDLの採録誌一覧によると、

文芸春秋(文芸春秋)Z23-10 26(9)[194809] ~ 36(13)[195812],45(1)[196701] ~

となっていて、1959年1月から1966年12月までの8年間、索引の採録対象となっていない。昭和37年すなわち1962年のこの記事がヒットするのは、この間のデータを本データベースでは独自に作成搭載しているからである。したがって、NDLデータを搭載しているCiNiiや他のデータベースではヒットしないことになる。

8/18 キャタピラー Caterpillar

2010年のベルリン映画祭で寺島しのぶが銀熊賞最優秀女優賞を取った「キャタピラー」(若松孝二監督)を観た。
http://www.wakamatsukoji.org/
戦争で両手両足を失った男とその妻という設定は、江戸川乱歩の「芋虫」を想起させる。
事実、キャタピラー(Caterpillar)というのは芋虫のことだが、映画のクレジットには乱歩の名前はない。
おそらく、設定は借りたが主題もストーリーも別物ということか。

乱歩の「芋虫」のほうは、昭和4年「新青年」に「悪夢」として発表され、戦後は数年おきに雑誌に掲載されている。

[創作作品]惡夢
著者 江戸川亂歩
刊行年月日 昭和4年(1929)1月
巻号 1月(新春増大)號(10-1)
掲載 新青年(博文館)

芋虫〈小説〉
著者 江戸川乱歩
刊行年月日 1952年9月30日
巻号 3-11(増刊)
掲載 探偵実話

芋虫〈小説〉[解説]
著者 中島河太郎
刊行年月日 1952年9月30日
巻号 3-11(増刊)
掲載 探偵実話

芋虫〈小説〉
著者 江戸川乱歩
刊行年月日 1956年7月15日
巻号 11-10
掲載 寶石 : 探偵小説雜誌

芋虫〈小説〉
著者 江戸川乱歩
刊行年月日 1959年4月15日
巻号 12-4(86)
掲載 別冊宝石

昔、新宿のゴールデン街で、奇優にして好男児のたこ八郎に、乱歩の「芋虫」の話をしたら、身を乗り出しで「その役やってみたい」といったのを思い出した。

8/3 CiNii連携検索の進化【2】

CiNii連携検索は、連携先のCiNiiの検索結果を実装データとまったく変わらずにグラフ表示し、さらに年単位で入れ子で表示する点、画期的と自負しています。
また、あまりに両者が違和感なく表示されるので、利用者が、CiNiiから取得したデータが当データベースのものと勘違いなさらないよう、データの頭にCiNiiのアイコンを表示して、区別を明示するようにいたしました。

ところで、荻生徂徠の「蘐園随筆」という著作がありますが、実装するデータ(NDL提供)の「蘐」の字がゲタを履いたり誤字になっているのを修正しました。NDLデータはCiNiiにも搭載されているので、「蘐園随筆」で検索すると、実装するデータを検索すると4件検索されますが、CiNii連携では、0となってしまいます。

今後、こうした連携検索や横断検索がもっと行われるようになると、こうした問題に対処するルール作りが必要になるのではないでしょうか。

7/27 CiNii連携検索の進化【1】

今まで、CiNii連携検索時には、CiNiiのデータをグラフ表示していませんでした。また、検索結果も、まず実装データを表示してその後にCiNiiの検索結果が表示されていました。

今回から、CiNii連携検索時には、CiNiiのデータもグラフ表示します(赤の棒グラフで表示されます)。また、検索結果も、実装データとCiNiiの検索結果は入れ子で表示されます(年単位)。
棒グラフは、ナビゲーターになっていますので、グラフをクリックすることでその年の検索結果に飛びます。

7/11 ワルキューレ

僕の姻戚の叔父に中沢護人という人がいる。
この人は51歳(1968年)から69歳(1986年)まで18年の歳月をかけ、ルートヴィヒ・ベック(1841~1918年)著「技術的および文化史的にみた鉄の歴史」5巻を翻訳し、日本語版「鉄の歴史」全17冊、索引2冊を刊行した。
現役を退いた後は、鉄の歴史の筆者の息子で同じ名前のルートヴィヒ・ベック将軍の研究に没頭し、「ベック将軍研究」15集を私家出版した。
ベック将軍とは、映画「ワルキューレ」に登場する元・ドイツ陸軍参謀本部総長ベック上級大将(1880年~1944年7月20日)のことである。ベック将軍は、トム・クルーズ演じるシュタウフェンベルク大佐のヒトラー暗殺が成功した暁には摂政になって和平政権をつくる計画だったが、計画は失敗し7月20日自決する。
70過ぎた中沢はその研究に夢中になった。

今回、東京ビッグサイトで開催された「教育ITソリューションEXPO」で、あまり人が来ないものだから、退屈しのぎに身近な名前で検索していたら、「中沢護人」で思いがけないものがヒットした。横浜事件で検挙歴があると知っていたが、ちょっとびっくり。

≪ 運動状況≫<一、共産主義運動の状況>五、中澤護人の檢擧状況(神奈川縣)
著者 無記名
刊行年月日 昭和19年2月分
巻号 刊行年月日参照
掲載 特高月報

うーむ、「個人情報」保護の上から問題とかいう人がいるかも。