お知らせ
2/13 グラフの色。
棒グラフの色を変えてみました。
青色は、NDLの雑誌記事索引。緑は、当データベースの独自データです。ちなみに雑誌名「中央公論」で検索すると、緑と青色がきれいに連続します。戦前期のほうが記事の数が多いのは、NDLの採録基準が3p以下は採録しないため少なくなっているのだと推察されます。
独自データの比率やNDLデータの補完の状況を視覚化して、当データベースの有効性を証明しようとしたのですが、見ようによっては逆効果になるかもしれません。
ま、それも仕様がありません。事実は事実です。こんご一層、データの充実に努めます。
2/8 日本における朝鮮語雑誌
さて、えらいことを考えてしまった。
第一、戦前期における朝鮮での雑誌の出版状況はおろか、日本「内地」における出版状況も何も知らない。
教えられて、『在日朝鮮人史研究』に掲載された、小野容照さん(京大・院)の二つの論文を読んだ。
1)福音印刷合資会社と在日朝鮮人留学生の出版史 [39](2009.10)
2) 金若水の渡日と『大衆時報』創刊 [38](2008.10)
また、少し古いが『朝鮮文学ー紹介と批評』に関連記事。
1) 朝鮮近代文学資料案内(1)
『創造』について 梶井陟 [5](1971.12)
2) 朝鮮近代文学資料案内(2)
『白潮』とその同人たち 大村益夫 [6](1972.3)
(掲載誌は、NDLの採録対象誌ではない)
ほかに資料をご存知の方、ご教示ください。
小野さんにもご相談してみよう。
1/22 大学OPACとの連携。
所蔵情報に関して、本DBはNDLの所蔵、WEB CATの検索結果を表示してきました。
ISSNを持たない古い雑誌の所蔵を確認するには、上記二つを充実させるのが最適という判断です。欠号のあることの多い雑誌は、単館のOPACより、参加機関の所蔵情報が一覧できるWEB CATのほうが利便性は高いはずです。また、本DBの検索結果からNDLの所蔵が確認できれば、遠隔地複写の申し込みが可能になります(戦前期の雑誌記事の複写依頼は、直接NDL OPACからは不可能で、本DB経由でのみ可能です)。
しかし、大学OPACに連携できないのはなぜかという声も多く、上記の説明をそのつどするのも大変なので、来年度から大学OPACに対応することにいたしました。(ISSNを持たない雑誌は表示されません)
したがって、今後、所蔵情報に関しては、WEB CAT、NDLおよびそれぞれの大学のOPACの三種が表示されることになります。
1/20 グラフの衝撃
現在、「文藝春秋」の創刊号からの総目次を作成しています。
詳細検索の「雑誌名」に「文藝春秋」と入れて検索してみます。結構、衝撃の事実が現れてきます。
1948年、NDLは「文藝春秋」を雑誌記事索引採録対象にしますが、1958年に対象からはずし、1967年から再度採録を開始します。
1948年以前は、各種目録に採録された重要記事です。
ポッカリと、58年から67年までの10年間のブランクが一目瞭然です。
これは、このデータベースだけでなく、NDLの雑誌記事索引を取り込んでいるCiNiiもMAGAZINEPLUSも同様なはずです。
この問題は、近く「文藝春秋」総目次を搭載することで解決します。
便利な機能をつけると、問題点もすぐにわかってしまう。
2011/1/19 植民地時代の雑誌
このデータベースですが、植民地の雑誌も登載することを「宣言」しています。しかし、植民地時代といえども「日本語」の雑誌ばかりではない。全容は未知ですが、たとえば東京においても「在日本東京朝鮮留学生学友会」という組織が「学之光」という雑誌を発行しています。
当時の「京城」(ソウル)では、「文章」とか「人文評論」などと言う雑誌が出ています。もちろん、これはほんの一部に過ません。
「人文評論」の昭和14年新年号は「日本農民文学의動向」とか「内鮮의文化的理念」とか興味深い。そうかと思うと「現代美의書」という特輯を並べてみると「現代美의特性」「哀愁의退廃의美」「現代音楽의美」「現代美の病理学―機械、映画、女子、都市」「戦場의美」「制服의美」「女優의美」「現代男性美」「電髪」「機械美」「脚線美」「現代女性美」という具合でです。「電髪」はいわずと知れたパーマネントです。
いずれも、漢字交じりのハングルで縦組みですが、巻頭には「皇国臣民の誓詞」が(これは日本語)刷り込まれています。いずれの活字もできるだけ小さいのはせめてもの抵抗でしょうか。
韓国でもこの部分は手をつけていない(手をつけない)ようなので、次の課題として考えていきたいと思います。